※大したことないのですが、一応血の色絵なので。







































 


■ いのちをうばう ■

「勢いだよ勢い。命を奪うっていうのは、アレが初めてだった」


ヒク、と咽喉を鳴らしてそれっきり、大きな犬は舌をだらりと覗かせたまま、動かなくなった。
心臓が破れそうな速さで鳴っている。こめかみがずくずく、疼く。自分の息をする音がうるさい。
視界が真っ赤で、べたべたする掌も真っ赤で、鋭い爪で掻かれた傷が、痛いのかもよく解らない。
鼻からも口からも吸い込んだ空気は、どちらのものとも知れない鉄錆の臭いで重たかった。
命を己が手で握り潰した瞬間の感触は、多分ずっと忘れようもない。

だから刻み込もうと思って、決めた。


「以来、犬だけは食わないってのがオレの禁戒(ゲッシュ)になったがな」



セタンタ少年の初体験(…)、すごい好きなエピソードだったので、妄想を大いに絡めていそいそと。
正確には絞め殺して頭を門柱に叩きつけてるんですが、いや、格闘ぐらいはあったんじゃね?と思って。
素手で縊り殺したときに、ついでに咽喉も握り潰してたらイイな! …と思ったらこんな捏造絵になりました。
咬み傷にしようかとも思ったんですが、咬まれたら死んでるだろうしな…。

2007/02/16up.
SAI/Photoshop7.0


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